葬儀についての基礎知識

全国各地の葬儀のマナーって、こんなに違うものなの?地域別の特徴を紹介します!

クリス
クリス
  • 引っ越したばかりで、葬儀のマナーがわからない
  • 火葬って葬儀の前じゃないの?

葬儀というのは神聖な儀式です。宗派ごとにマナーが違い、そのうえ地域でも細かな違いがあります。

自分の常識が他人の非常識、なんてこともよくありますよね。遠くに引っ越して、風習の違いにびっくりしているお方もいらっしゃるのではないでしょうか?

神様
神様

この疑問に答えるぞい。

本記事の内容
  • 一般的な葬儀のマナー
  • 地域別のお葬式事情

この記事では、なかなか知られていない全国各地の葬儀のマナーについてを解説します。全く違うところに引っ越した方や、今いる地域で初めて葬儀に参列する方は、ぜひ参考になさってください。

では早速お伝えしていきます。

最初に確認したいこと

全国各地のさまざまな葬儀事情を見る前に、まずは一般的にどのような葬儀のマナーがあるのかを確認しましょう。

「友引」の日に葬儀はしない

カレンダーを見ると、日付の下に「大安」や「先勝」などといったものが書かれていませんか? これは六曜と言って、それぞれの日で違う意味を持ちます。

六曜の中でも、「友引」は葬儀を行うのに適していません。読んで字のごとく友を道連れにする」と連想されてしまうためです。

逆に、葬儀に適しているのは「仏滅」で、仏様を成仏させるという意味もあります。「大安」でも問題はありません。

香典の値段

香典をおくるとき、どれくらいの値段にするかというのは故人との関係性によって変わってきます。

ご近所の方なら3,000~5,000円、友人なら5,000~10,000円、自分の親なら50,000~100,000円という風に、近い人ほど値段が高いです。

そんな風習が⁉︎ 地域別のお葬式事情

ここでは、それぞれの地域の特徴的な葬儀のマナーについて説明していきます。

北海道

最初は、北海道での葬儀のマナーについて紹介していきます。北海道には、ほかの地域と違う風習がたくさんあります。

クリス
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北海道の葬儀には、どういう特徴があるのでしょうか?  

葬儀より火葬が先?

函館市では、前火葬といってお通夜や告別式の前に火葬をします。このような文化の背景がどういうものかは、いくつかの説があります。

いちばんよく言われるのは、雪深いために参列者がすぐ葬儀に来られないという理由です。

全員が揃うのを待っていたらご遺体が傷んでしまいますし、すぐに来てほしいと言っても雪の影響でなかなか辿りつけないこともあります。

香典に「領収書」⁉︎

北海道では、もらったお香典に対して領収書を発行するんです。

受付で香典を渡すと、担当の方が中身の確認をした後、金額と名前が書かれた領収書をくださるので、参列者は領収書を持って葬儀に参加します

北海道では「記帳」がないので、香典の袋にきちんと住所、名前を書いておきましょう。

また、香典返しがなのも北海道の特徴です。あらかじめ返礼品を用意してあり、もらった香典の金額にかかわらず同じものを配っています。

祭壇の前で記念撮影?

もうひとつ特徴的な風習として、参列者が祭壇の前に集まって記念撮影をするというものがあります。お通夜が終わったタイミングで行う事が多いです。

北海道は面積が広く、親戚が全員集まることは中々ないため、このようなことをします。

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東北地方

続いて、東北地方の特徴的な葬儀のマナーをご紹介します。

クリス
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広い県が6つ集まった東北の葬儀には、どういう特徴があるのでしょうか?

やっぱり火葬が先

東北でも北海道と同じように、前火葬をするところが圧倒的に多いです。

火葬をするタイミング
  • 青森、秋田ではお通夜の前に行う
  • 岩手、宮城、山形ではお通夜の後に行う
  • 福島は、地域によって前火葬のところと後火葬のところがある
ちなみに東北は北海道と同じ理由で、北陸、山陰の一部などでも前火葬を行っているところがあります。

【秋田県】焼香のときにお金を添える?!

秋田県では、ご焼香の時に小銭を添える文化があります。天国でこのお金を使ってね、という思いから行ってるようです。

【宮崎県】参列者も「死に装束」?

宮城県では、納棺の際に故人と同じ格好をする地域があります「男性は白い三角巾、女性は白い頭巾」を被ります。

これは、同じ格好をすることでさみしくないように一緒に見送るという考えです。そして出棺の時に、ひとりで成仏できるように祈りながら装束を外します

【山形県】日程を決めるために

山形県では、葬儀の日程を六曜(大安、友引など)のほかに干支まで使って決めています

たとえば鶴岡市では「共にあの世に連れて行かれる」という理由で「子の日」「丑の日」に葬儀を行いません

また、酒田市では「寅は千里を帰る」という古事から、「あの世に行った人が戻ってきてしまう」と考え「寅の日」を避けています

【福島県】副葬品に「刃物」?

福島県では、納棺のとき一緒に刃物を入れる風習があるそうです。

故人様が男性の場合はカミソリ女性の場合はハサミ」を入れます。形見として髪や髭を一部切り取ることもありますが、福島ではその名残りで刃物を棺に入れることがあります。

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関東地方

続いて、関東地方の葬儀のマナーをご紹介します。首都の東京がある関東地方は、葬儀のマナーも「一般的にはこうします」と言われるものに近いようです。

しかし、一部地域にはちょっと違った風習もあるようです。

クリス
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どういう風習があるのでしょうか?

水引は白と黒

香典袋につける水引(リボンのようなもの)は、関東では白と黒」のものを使います

前火葬の地域もある

関東では後火葬が一般的ですが、一部の地域では前火葬を行っています。前火葬をするのは、千葉では房総地方、埼玉では川越市、また神奈川では小田原市や足柄市などです。

【神奈川県】みんなで豆腐を食べる?

神奈川県の一部地域では、納棺の際参列者みんなで豆腐を食べます「角が立たないように」という意味を込めて四隅から食べていきます。

一丁の豆腐を参列者全員で回し食べをし、最後の人で全部食べ切るというルールがあり、参列者が少ないときは一人分が多くて大変なようです。

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中部地方

続いて、中部地方の特徴的な葬儀のマナーをご紹介します。北陸から東海まである山陰地方。

クリス
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葬儀のマナーはどうなっているのでしょうか?

火葬のタイミングはバラバラ

中部地方は、前火葬の地域と後火葬の地域が混在しています。また、それぞれの県のなかでも火葬をいつ行うか違ってくるようです。

【福井県】葬儀なのに「お赤飯」?

福井県では、故人が長生きだった場合、葬儀のときにお赤飯を食べます

お赤飯はお祝い事で食べられるものですよね。そのため、「亡くなったのにお祝いってどういうこと?」と思う方もおられるかもしれません。

しかし、福井県では葬儀を「天寿を全うしたお祝いの場」と考えているため、葬儀のときは故人へのお祝いと労いを込めてお赤飯を食べるのです。

【山梨県】棺を3回まわす?

山梨県では、出棺の時に棺を3回まわします。どこでどんなふうに回すかはその家により違い、遺族が棺の周りを3回まわる場合もあります。

いずれにせよ、「故人の方向感覚を狂わせて、こちらの世界に戻ってきてしまわないようにする」という意味の風習なのだそうです。

山梨県だけでなく他の地域でも、同じ意味で棺を3回まわしているところが随所にあります。

近畿地方

続いては、近畿地方の特徴的な葬儀のマナーについてご紹介します。第二の首都・大阪や、歴史ある府県が多い近畿地方。

クリス
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どういう風習があるのでしょうか?

お通夜の後はそのまま解散

一般的に、お通夜が終わったあとは「通夜振る舞い」といって参列者みんなで会食をする風習があります。

しかし、関西ではこのようなマナーがなく、お通夜が終わったらそのまま解散するようです。会食をする場合も、近親者や近い友人のみで行うことが多です

水引の色は?

関西では、香典袋に白と黄色の水引を使っています

しかし、奈良県だけは(関東と同じように)白と黒の水引を使うのでご注意くださいね。

お骨は一部だけ?

関西では火葬の後、お骨を全部ではなく必要な部分だけを拾います「喉仏・頭・手足・胸・腰の骨」を拾い、喉仏の骨だけは「本骨」として別の骨壺に入れます

関西では本骨を総本山に納めるという風習があり、東日本と収骨の仕方が違うのはこのためでもあります

総本山は奈良県や京都府に多く、関西では総本山の宗派である人が多いのです。

【三重県】涙汁

三重県では、精進落とし(葬儀後の会食)のときに「涙汁」を飲みます。愛知県や岐阜県などの一部でも飲まれているという「涙汁」、これは一体どういうものでしょうか?

涙汁はかつおの出汁を使っていて、胡椒がたっぷり入っている汁物です。飲んだひとは辛(から)さのあまり涙を流すほどなので、涙汁という名前になりました。

葬儀の最後に涙を流すことで故人への供養をするという意味があります。

【和歌山県】「三隣亡」に注意?

和歌山県では葬儀の日程を決める際、友引のほかに「三隣亡」も避けているそうです。

三隣亡とは、読んで字のごとく「三軒隣まで亡ぼす」という意味があるのです。意味を知ると、なんだか恐ろしい日ですね。

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中国・四国地方

続いて、中国・四国地方の葬儀のマナーについてご紹介します。葬儀を避ける日もマナーの特徴も、県によってバラバラなのだとか。

クリス
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どんな葬儀のマナーなのでしょうか?

【広島県】「酉の日」に注意?

「友引」に葬儀をしないのは全国で共通していますが、広島県では12日に一度の「酉の日」にも葬儀を行わないようにしていることがあります。

酉という言葉から「命取り」を連想するという説があります。また、広島の農村では「酉の日に田植えをすると凶作になる」というジンクスがあって、葬儀も避けるようになったというお話もあります。

【香川県】髪の毛に白い紙?

香川県では葬儀のとき、近親者の女性は頭に白い三角形の紙を挿します。女性は子供を産むので、死の穢れから女性(と子供)を遠ざける意味があります。

九州地方

続いて、九州地方の葬儀のマナーについてご紹介します。九州にも、本州とはまた違った葬儀の風習がたくさんあるようです。

クリス
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どういう葬儀のマナーがあるのでしょうか?

【福岡県】焼香のタイミング

基本的には僧侶さんがお経を読んでいる間に順番に焼香をしますが、福岡県ではお経を読んでもらっている間は焼香をしないところもあります。

もし遺族が焼香を行いたい場合は、僧侶さんが退場してから行います。

福岡県でも、山梨などと同じように棺を3回まわす風習もあります。

【大分県】友引はダメというけれど

大分県では、葬儀をするうえで縁起が悪いと言われる「友引」の日にも、葬儀や火葬をしています。

遺族側に嫌な気持ちがなければ、六曜は関係なく葬儀を行います

【鹿児島県】お供えは「もなか」

とくに鹿児島県で行われているのですが、お通夜のお見舞いとして最中を持っていくことがあります。

鹿児島弁で「もうなか=もうない」という意味になり、これ以上不幸が続かないようにという願いでもなかが選ばれています

沖縄県

最後は、沖縄県の葬儀のマナーについて解説します。沖縄はもともと琉球王国だったこともあり、葬儀にも独自の文化がたくさんありそうですね。

クリス
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どういう葬儀のマナーがあるのでしょうか?

前火葬が一般的

意外なことに、沖縄も前火葬が多い地域です。

年間を通して気温が高く、また本州などの親族は来るのに時間が掛かってしまうので、早く火葬をしないとご遺体が傷んでしまいますね。

葬儀の直後に納骨?

基本的に納骨は葬儀が終わって少し経った後に行いますが、沖縄では葬儀が終わってすぐに納骨をします。

そのため、葬儀のときは動きやすい服装でと指示が出ることもあるのだとか。

行かない方がいい人も

沖縄では、そもそも葬儀に参列しない方がいい人も存在します。具体的には、「妊婦さん・病気の人・家やお墓を建てている途中の人・故人と干支が同じ人」などです。

なぜかというと、これらの立場にある人は「死」の穢れに負けてしまう(だから葬儀に出ることは縁起がよくない)と考えられているからなのです。

現代ではあまり気にしない家庭が多いようですが、古くからの方式で葬儀をやっている家では上記のようなことにもご注意くださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ここで、本記事の内容をもう一度おさらいしてみましょう。

おさらい
  • 「友引」の日は葬儀をしない
  • 香典の金額は「故人との関係性」で決まる
  • 葬儀の日程を決めるために干支まで考える地域も
  • 葬儀より火葬が先の地域は意外と多い
  • 無事に成仏できるよう、棺を3回まわす地域もある
  • 現代では家族葬も増え、マナーはこの限りではなくなりつつある

最近は家族葬も増え、昔からの風習が合わなくなることも出てきています。そのため「やったことある」というものもあれば、「そんなことしないよ!」というものもあったかもしれません。

皆さんがご存知のものはありましたか? この記事でご紹介した各地の風習はほんの一部で、それぞれの地域にもっとたくさんの文化があります。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。