葬儀についての基礎知識

【意外と知らない】末期の水とは何?手順ややり方を完全解説します!

クリス
クリス
  • 読み方も、「末期の水」の何もかもがわからない!どうしよう!
  • いつ、誰が、どんな手順で執り行うのかが、想像もつかない!
  • 「末期の水」の意味は? どんな気持ちでのぞめばいいの?

こういった不安が募るのにも、理由があります。なぜなら「末期の水」という言葉自体、耳にすることが少なく、この言葉から想像できるのは、「水」が関係することだけかもしれないからです。

クリス
クリス
ま、ま、ま、まっきのみずって、読むの?その水は、一体どんな水なの? それをどうするの?
神様
神様
フォッフォッフォッ。これはな、「まつごのみず」と読むんじゃ。

ある日突然やって来る旅立ち。その葬儀への疑問や心配を1つでも減らして、心穏やかに故人を見送りたいものですね。

神様
神様

どんどん疑問に答えていくぞい。

本記事の内容
  • 「末期の水」とは、どんな儀式なのかを解説!
  • いつ、誰が、どの手順で、どんなやり方をするのか解説!
  • 「末期の水」の意味の今昔を比較して解説!

この記事を読むことで「末期の水についてしっかり知ることができ、いざという時に慌てることなく、心を込めてお別れに集中することができる!」というメリットがあります

では早速お伝えしていきますね。

末期(まつご)の水の基礎知識

末期の水をとる」というのは、臨終を迎えようとする方の口元を、水で潤すという儀式です最近では、臨終を迎えた直後に行うことが一般的となりました

「末期」(まつご)というのは、臨終の際(りんじゅうのきわ)のことを言います。そしてこの儀式は「死水をとる」(しにみずをとる)とも呼ばれています。

クリス
クリス
ふー、末期の水って、体のどこかの水をとるわけじゃないんだね。

ということは臨終を迎えた直後から、かなり慌ただしくなりますね。

葬儀は、臨終から始まると考えておきましょう

末期の水をとる宗教としては、仏教と神道です。よって仏式葬儀と神式葬儀を執り行う方は、心の準備を。こうなると、末期の水に関わる方は、かなり多いかと思います。

ただし仏教の宗派の中でも、浄土真宗は末期の水の考えがないので注意が必要です。予め故人の宗派を知っておく必要がありますね。

末期(まつご)の水をとるまでの手順を3ステップでお教えします

「末期の水」と、名前こそ重々しいのですが、用意するものも手順も、実はとてもシンプルのなのです。

ステップその①:必要なものを揃える

さて、末期の水をとるのに必要なのは、一体どんなものでしょうか。

末期の水で準備するもの
  • お茶碗orコップなど
  • 新しい割り箸
  • 新しい脱脂綿orガーゼ
  • 脱脂綿やガーゼをくくる白い糸
  • 仕上げ用の布かタオル
神様
神様
神式葬儀の場合、榊(さかき)の葉を使うんじゃ

この他にも地域によっては、新しい筆や鳥の羽根、菊の葉または樒(しきみ)の葉を使用することがあるので、事前にその地域での方法を知っておきましょう。

ステップ②:用意したものをセットする

では用意したものを、どのように使うか見ていきましょう。

末期の水セットの作り方
  1. まず新しい脱脂綿かガーゼを、これまた新しい割り箸の先に白い糸でくくりつけ、「末期の水専用綿棒」を作る
  2. お茶碗かコップに水を注ぐ。

これで末期の水セットは、用意できました。ではここで、末期の水の準備に際して、よくある質問2点を見てみましょう。

末期の水は、特別な水でなくてはいけないの?

いいえ、特別な水でなくても、水道水で大丈夫です。ただ最期のお別れに使用する水なので、おいしい飲料水を用意することをおすすめします。

末期の水には、必ず水を使わなければいけないの?

いいえ、水でなくても緑茶や紅茶、お酒など、故人が生前好きだった飲み物や、よく飲んでいたものでも大丈夫です。

故人の生前を思いながら準備をしていきましょう。

ステップ③故人のもとへ持って行く

続いて用意のできた末期の水セットを、お盆などの上に置いて持って行き、故人の顔の近くに設置します。持ち運ぶ時には、お水をこぼしたり、末期の水専用綿棒を落とさないように注意しましょう。

ここまでくれば、後は末期の水をとるのみです。

末期(まつご)の水の準備とタイミングの実際

ここまで必要なものと手順を挙げましたが、現在は遺族の方がこの「末期の水セット」を準備することはなくなっています

というのも、現在では臨終の場所が自宅であることが少なく、葬儀自体も葬儀会社に依頼することが多くなっているからです。それによって末期の水を用意する人も、変わってきているのですね。

神様
神様
かつては臨終直前に行っていた末期の水も、最近は臨終後死亡が宣告された後のタイミングが、一般的になってきとるんじゃ。

亡くなる場所の変化と準備の実際

日本では以前、自宅で亡くなることが多く、1951年では82.5%、病院で亡くなるのが11.7%という割合でした。しかし2016年の調査では自宅での死亡が13%とかなり低く、病院と施設での方が割合が多くなっていることがわかります。

恐らく病院や施設では、臨終間際ともなると処置等で慌ただしくなるため、末期の水のタイミングも、臨終を迎えた後になったのではないでしょうか。

では亡くなった場所の違いで、末期の水の準備をする方が、誰になるのかを見ていきましょう。

自宅

葬儀会社が、「末期の水キット」を用意してくれる。または自宅訪問の介護スタッフの方も、サービスの一貫として用意をしてくれる可能性があるが、あくまでその会社の事業内容によるので、要相談。

病院

医療スタッフが用意し、エンゼルケア前に末期の水をとってくれる場合もあるが、自宅へご遺体を安置した後に、葬儀会社によって執り行うことが多い

介護施設

施設によるが、スタッフが末期の水を用意し、執り行ってくれることがある。大体は直接エンゼルケアに入るケースが多い。その際は自宅へ安置後、葬儀会社に依頼する。

このように遺族側で末期の水一式を準備をすることはあまりなくなってきてはいますが、その分用意する方に対して、予め伝えておくべきことも出てきます。

以下2点は気をつけましょう。

  • 水以外のものを使用したい場合。
  • 故人が浄土真宗で末期の水が必要のない場合

準備がないと臨終直後からのバタバタは少し緩和されますが、末期の水自体を知らないと、急に綿棒を渡されて、慌てることになりそうです。いずれにしても心づもりが必要ですね。

では準備ができたところで、次に誰がどのように執り行っていくのか、見ていきましょう。

末期(まつご)の水のやり方を解説

クリス
クリス
用意するものはわかったけれど、一体誰が、何をするの?あんまり想像がつかないな。

立ち会った血縁者が順番で行っていく

末期の水をとるのは、基本的には臨終に際して立ち会った家族や親族です順番は故人に対して血縁の濃い順です。何親等までの方が行うかは、実はあまりはっきりした決まりがなく、対象はその場にいる血縁者全員とされています。

末期の水をとる順番
  1. 喪主
  2. 配偶者
  3. 子供 (年長者より順に)
  4. 兄弟姉妹
  5. 子供の配偶者
  6. いとこ
  7. 叔父叔母

末期の水は親族が揃った上で、執り行うのが理想ではありますが、すぐに来ることのできない親族に関してはその方のいない状態で先に始めることもできます

ただしその際には、遅れて来る方にもしっかりと承諾を得ましょう。また到着後に末期の水をとるか否かは、その場にいる方々の判断によります。

クリス
クリス
地域や家庭によっては、血縁者だけでなく、弔問者全員に末期の水をお願いする場合もあるんだって。だからやり方はしっかり覚えていた方がいいね。

末期(まつご)の水のとり方

まず末期の水をとるのは、1人につき1回です。弔辞に関しては、複数回行うことは、縁起が悪いとされているので気をつけましょう。順番に故人のそばへ行き、末期の水をとっていきます

末期の水のとり方
  1. 準備した末期の水専用綿棒(脱脂綿をくくりつけた割り箸)を軽く水に浸す。
  2. 綿棒で故人の上唇を左→右の順に撫でた後下唇も左→右に撫でる
  3. 全員が終わった後、喪主の方が最後に新しい布かタオルで顔を拭く。                    順番は額を左→右鼻を上→下顎を左→右

ただし

  • 小さな子の場合は、無理に行う必要はありません。
  • 綿棒は軽く水につけること。(故人の顔がビショビショにならないように。)
  • 綿棒は強く擦りすぎず、また無理に口の中に入れないようにすること。

末期(まつご)の水は省略される!?

葬儀が簡略化される傾向にある現代では、この末期の水もとらないことが多くなってきているようです。

Aさん
Aさん
母の葬儀で、気がついたら末期の水が行われておらず、とても悔いが残っています

というような声もあり、医療施設だけでなく葬儀会社によっても、省略することがあることがわかります。そのことを念頭に入れ、末期の水を確実に行いたい場合は、事前に相談しておきましょう。

いずれにしても、末期の水に関しては知っておいた方が、色んな点で安心ですね。

神様
神様
綿棒で撫でながら、しっかり顔を見てお別れの挨拶をするんじゃぞ。この後は慌ただしくなるからの

末期(まつご)の水の持つ意味合い

実は末期の水には、本来色々な意味合いがあるようです。由来についても諸説あるのですが、こういう時には大抵日本の文化や信仰が複雑に絡み合っていることも多く、殊に「死」に関係する葬儀はその傾向が強い気がします。

それでは、末期の水の意味について見ていきましょう。

医療的な意味

かつては現代のように医学も発達しておらず、臨終の判断が曖昧だったと想像できます。そこで水を口に含ませ、喉を通ればまだ息があるとされていました。口や喉の動きを見ることで生死の判断をしていたのではないでしょうか。

また水を含ませることで、延命を試みたとも考えられます。これは「願い水」とも呼ばれたようです。

仏教における末期(まつご)の水の意味

諸説ある末期の水の由来の中でも、最有力とされているのがこの「お釈迦様入滅に関する故事」です。

お釈迦様の逸話

自身の命が尽きそうなことを悟ったお釈迦様は、弟子の阿難陀(あなんだ)に水を所望しました。しかし近くの水場は濁っており、飲める状態ではありません。それを伝えるとお釈迦様は、喉の乾きが酷く我慢ができないと、再度水を所望するのでした。

それを聞いた信仰心の厚い雪山の鬼神が、かわりにきれいな水を持って来てくれました。雪山の澄んだ水を飲んだお釈迦様は、心安らかに浄土に旅立つことができたと伝えられています。

鬼神の水によって、心安らかに浄土に旅立つことができた」というのが、この逸話の中でとても重要なポイントになります。仏式葬儀は、亡くなった人をあの世に送り出す儀式です。

人は死後、魂になると飲食はできなくなります。そしてその魂は、あの世へ向かう49日間の旅へと出るのです。

だから末期の水は、「人として最期に口にするもの」となるのですね。そしてお釈迦様のように、心安らな旅立ちを祈りながら、遺族は魂を送り出すのです。

神様
神様
ちなみに浄土真宗は、命が尽きると皆直ぐに極楽浄土へ行けるという考え方なんじゃ。だから 末期の水も必要ないんじゃよ。

神道における末期(まつご)の水の意味

仏式葬儀に対して、神式葬儀は亡くなった方の魂を、子孫や家の守護神に昇華させるための儀式です。

神道では死は「穢れ」(けがれ)とされています。しかし決して亡くなった方が穢れというわけではないので、そこはお間違えなく。

穢れは「気枯れ」とも書かれ、見送る家族側の生命力を枯渇させ、平静な判断を保てなくすることと考えられています。

そこで神道における末期の水とは、死から生まれる負の影響を広げないための「清めの儀式」なのです。

神様
神様
水には清める力があるんじゃ。

穢れを清める」=「遺族の気を回復し健全に保つ」ため、「水の清めとして末期の水をとるのです。

民間信仰の中の風習

かつての日本には「魂呼ばい」(たまよばい)という風習がありました。

日本の民間信仰では死後、魂はこの世と地続きのあの世へ行くとされていました。極楽や地獄の考えが、まだない時期の日本の話です。

例えば人の魂は死後、山の近くに住んでいる人は山へ、海の近くに住んでいる人は、沖縄で「ニライカナイ」と呼ばれる海の最果ての世界へ行くという考え方です。

この「魂呼ばい」は誰かが亡くなった時に、男性が屋根の上で、または海や山に、時には井戸に向かって、亡くなった方の名前を呼ぶという風習です。「魂呼ばい」の名の通り、魂を呼び戻すという意味があります。

その他にも水に顔をかけたり、飲ませたりして、魂を呼び戻し何とか生き返らせようとしたようです。末期の水には、こういった民間信仰の風習も含まれているのではないでしょうか。

クリス
クリス
この「魂呼ばい」の風習は、もう聞かなくなってしまったね。

現代における末期(まつご)の水の意味

末期の水には、かつて多くの意味が込められていました。それでは現代においてはどうでしょう。

葬儀は臨終を迎え、末期の水をとるところから始まります

しかし自宅で亡くなることが少なくなった現代では、臨終に立ち会うことも難しくなってきたのではないかと思います。時々「死に際に会えず、後悔した」という方の話を、耳にすることもありますよね。

そんな中で臨終に立ち会い、末期の水をとるということは、「看取ること」と同じであり、とても貴重な時間なのではないでしょうか。

また末期の水が由来だと言われている水杯(みずさかづき)とは、「水で乾杯すること」なのですが、これは「2度と会えない」「今生の別れ」という意味があるので、普段はタブーとされています。

そこからもわかるように、末期の水は臨終直後、これから魂となる故人への「最期のお別れ」となります。

現代の末期の水は、看取りそして見送る、遺族から故人へのお別れの儀式なのです。それを忘れずに、心を込めて末期の水にのぞみましょう。

神様
神様
葬儀が全部終わって気がつくとな、故人さんの姿はもう無くなってしまっておる。葬儀は長いようで短い。限られた時間の中でも、悔いが残らぬよう、お別れの挨拶をするのがベストじゃ!

まとめ

末期の水は、「まつごのみずと読み臨終直前もしくは直後に故人の口元を水で潤していく儀式です。

用意するもの
  • 水を入れた茶碗かコップ
  • 末期の水専用綿棒 (先に脱脂綿をくくった、新しい割り箸)

この時使用するのは水だけでなく、故人が生前好きだった飲み物でも大丈夫です。

執り行うのは、臨終に際して立ち会った家族や親族で、故人に対して血縁の濃い方から順番です。地域や家庭によっては、一般の弔問客にもお願いすることがあるので、その時は遺族の方の指示に従い、末期の水をとるようにしましょう。

末期の水のとり方
  1. 末期の水専用綿棒(脱脂綿をくくりつけた割り箸)を軽く水に浸す。
  2. 綿棒で故人の上唇を左→右の順に撫でた後下唇も左→右に撫でる
  3. 全員が終わった後。最後に喪主が新しい布かタオルで顔を拭く。                    順番は額を左→右鼻を上→下顎を左→右

現代において「末期の水をとる」ことは、「看取る」と同じ意味に捉えられます。そして人としての「最期のお別れの儀式」ともなるのです。この後、魂はあの世へ旅立っていきます。

故人と一緒にいることのできる時間は限られているので、末期の水を大切な時間にしていただけたらと思います。